2019年度活動方針

 

 

    

 

「歯を治しておいしいものを食べたい」「入れ歯を治して人前で笑いたい」「健康のためにもよく噛んで食べたい」という要求は誰もが持っているものです。しかし医療機関に通いたいけど窓口負担が高くて通えないとの患者が多くいます。また医療機関は診療報酬が低いため手間暇を掛ければ掛けるほど赤字になってしまいます。こういった問題の根本には長期化する社会保障費抑制策や、国民生活に広がる経済格差にあります。

 

歯科医療の問題点を明らかにして、社会保障費特に歯科医療費の拡大に取り組むと共に、社会保障を守る活動、経済格差を解消する取組みを進める必要があります。

 

 

 

(ア) 国民の運動無しには医療の改善はあり得ない

 

街頭宣伝を行えば多くの人が署名に協力し、歯科医療相談には口腔に悩みを抱えている人がやってきます。このことは、国民の多くが歯や口腔に問題を抱えている一方、解決が出来ずに悩んでいることを示しています。

 

「保険でよい歯科医療を」の声に応え、徐々にではありますが全国で連絡会が結成されてきています。テレビやニュースでも口腔崩壊のことを取り上げる機会も増えてきました。歯科のことを落ち着いて取り上げる報道も増えてきています。

 

自治体でも岩手、鳥取、大分で全県で意見書採択が挙がり、その成果は全国に勇気をもたらしています。

 

こういった状況は、歯科医療改善を求める個人や団体が、地道に改善に向け取り組んできた結果です。全国で取り組まれた一つひとつの運動の結果が、改善運動の成果に繋がっています。

 

 

 

(イ) 運動の方向性

 

「保険でよい歯を」が目指している方向は、国民・都民の基本的な要求によるものであり、憲法25条に基づく医療・社会保障の改善要求運動です。この運動は、政府が進めている社会保障の抑制策に対する運動として極めて重要です。私たちが掲げている具体的な課題は「保険でよい歯を」ですが、運動の根底には社会保障を守り改善するという大きな位置づけを持って取り組む必要があります。

 

昨年度は運動の原点に立ち返って、歯科技工士問題(主に委託技工料)について議論を行いました。その中で技工料金を決定する仕組みそのものに、技工料金を下げる仕組みがある事がわかるなど、歯科技工問題を新しい視点で捉え直すことも出来ました。

 

今年度も引き続き原点に立ち返って課題を再検討するとともに、さらに社会保障全般に目を向けた広い視点での議論を行うことが必要です。

 

 

 

(ウ) 医療改善の要求

 

   社会保障費の抑制策をやめ、国民が安心して暮らせるようにすること。

 

   窓口負担の大幅な軽減を図り、健康保険のきく範囲を広げること。

 

   歯科技工士・歯科衛生士の技術料を正当に評価すること。

 

   保険での歯科技工は、国内の歯科技工士に限定すること。

 

   混合診療の拡大を行わないこと。

 

   東京都全域で18歳までの医療費を完全無料化にすること。

 

   国保保険料(税)の引き上げにならないよう国庫負担を増額すること。

 

 

 

(エ) 具体的方針

 

昨年度の活動の成果と教訓および、社会保障をめぐる厳しい情勢を踏まえ、下記の事項に取り組みます。これまでの活動を進めながら、都民の歯科医療要求実現のために、様々な課題にも取り組んでいきます。特に、医療・社会保障を守り充実させる取組みと、都民への啓発を重視して「出前講座」や街頭宣伝などを積極的な取り組みを進めます。

 

 

 

①保険でよい歯科医療の実現のための国会請願署名に取り組みます。

 

②自治体から政府への「保険でよい歯科医療」を求める意見書の採択を進めます。

 

③歯科医療への理解を広めるため「出前講座」や、市民を対象とした学習会、シンポジ

ウムなどを取り組みます。

 

④イイハデーの街頭宣伝等を通じて、都民へのアピール活動を行います。

 

⑤「保険で良い歯科医療を」全国連絡会や各地にできた「連絡会」との連携を強めます。

 

⑥運動を広げるため、世話人を増やすよう他団体や都民への呼びかけを進めます。

 

⑦ニュースを発行しホームページを充実させます。(http://www.yoiha.org

 

⑧財政の基盤強化について賛同加盟の増加、会費の創設や責任体制などを議論していきます。